音楽とことばの広場 ♪ こい亭

京都タワーが見える小さなスペース「こい亭」では、ミニ落語会やホームコンサート、中高年から始めるらくらくピアノ(R)教室などを計画しています。

文楽を見に行きました。

夏休み文楽特別公演@国立文楽劇場(大阪)

 

第2部・名作劇場

「薰樹累物語(めいぼくかさねものがたり)」

  豆腐屋の段/埴生村の段/土橋の段

「伊勢音頭恋寝刃(いせおんどこいのねたば)」

  古市油屋の段/奥庭十人斬りの段

 

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「伊勢音頭恋寝刃」を見て、

私はちょっと、自分が日本人であることに自信をなくしました。

何人も(“十人斬りの段”ですが、確か8人)の人を切り殺した福岡貢が、

“忠義の人・正義の人”として描かれているのはなぜなのか?

昔の日本人は、この話のどこに感動してきたのか?

何の罪もない、油屋の女中の首が飛んだり、女の子の足が飛ばされたりという、

非常に陰惨な場面で会場から笑いが起こったけれど、

ここは笑うところなのか? 昔からずっと笑われてきたのか?

頭に数々のハテナが灯り、全く感情移入できず……。

私には受け継がれてきた日本人の感性がないのでしょうか??

 

「累物語」の方が、

谷蔵(与右衛門)の忠義心・三婦の男気・高尾の怨念など、

心からの理解はできないものの、テーマは分かりやすかったです。

累の顔は、高尾の怨念で醜くなった後も、ちょっと黒く汚れただけで、

やっぱり美人に変わりはないけどなぁ……、と思いましたが。